もう、お金の話から逃げないと決めた日

借金体験談
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給料明細を開くのが怖かった頃

当時の僕は、給料日が来るたびに憂うつになっていました。
ポケットに入れた給与明細の封筒を開く瞬間、手が震える。
「今月も差し押さえで引かれているだろうな…」
そんな予感が、ずっと頭をよぎっていました。

働き続けて何十年も経つのに、手取りは14万円ほど。
家族を支えるどころか、自分ひとりの生活もギリギリです。
ボーナスなんて期待できないし、昇給もほぼゼロ。

「頑張っても報われないんだな」
そんな虚しさが心に積もり、毎日のやる気を削っていきました。


現実から逃げていた時間

お金の問題は、毎日僕を追い詰めていました。
借金の督促状、電気代の支払い通知、水道局からの「止めます」予告。
ポストを開けるたびに、胸がズンと重くなります。

封筒を開けず、そのままゴミ箱へ捨てたこともあります。
見なければ、少しは楽になると思っていました。

でも、現実から目をそらしても、状況は良くならない。
むしろ、日を追うごとに首が締まるように苦しくなっていきました。
電気が止まる、電話が使えなくなる、ガスが止まる──。
少しずつ生活が壊れていくのが分かっても、向き合う勇気が出ませんでした。


子どもの一言で心が決まった

ある日の夜、薄暗いリビングで過ごしていたとき、息子がふと口にしました。
「うちって、なんでいつも電気暗いの?」

胸が締めつけられるような感覚。
守るべき家族に、惨めな現実を晒している自分。
それなのに、僕は見て見ぬふりをしていた。

息子のその一言で、自分の弱さと逃げ癖を突きつけられました。
このままでは、家族も、そして自分も壊れてしまう。


僕はお金の話から逃げていた

借金や収支の計算をするのが嫌で、通帳も見ない。
財布の中身が減っていくのに、理由を調べない。
そんな日々を送っていました。

「知らない方が楽」
そう自分に言い聞かせて、現実から逃げていたんです。

でも、逃げていても何も変わらない。
むしろ状況は悪化する一方。
心の奥で分かっていたけれど、認めたくなかっただけでした。


「もう逃げない」と決めた瞬間

ある晩、布団の中で眠れないまま天井を見つめていました。
昼間の息子の言葉が何度も頭をよぎります。

「もう、お金の話から逃げるのはやめよう」
そう腹の底から決めた瞬間、心が少し軽くなった気がしました。

決意したその日から、行動を少しずつ変えていきました。


現実を直視することから始めたこと

僕が最初にやったのは、たった3つのことです。

  1. 毎月の支出を紙に全部書き出す
    家賃、光熱費、食費、通信費、借金の返済額。細かく書きました。
  2. 借金の残額と金利を調べて記録する
    見たくなかった金額。でも、正確に把握することで返済計画が立てられます。
  3. 副業で得た1円でも収入をメモする
    コンビニバイト、単発仕事、フリマアプリの売上。小さな収入も積み重ねとして記録しました。

最初は、数字を見るだけで気持ちが沈みました。
けれど、可視化することで「何を削るべきか」「どこを増やすべきか」が見えてきました。

逃げなければ、改善策は見つかる

現実を直視すると、やるべきことが分かります。
僕の場合、まずは通信費を格安SIMに変えるだけで月6,000円の節約になりました。
不要なサブスクを解約したら、さらに月4,000円の固定費削減。

こうして小さな改善を積み重ねていくうちに、少しずつ家計に余裕が生まれました。
副業収入も月1万円を超えるようになり、「やれば変わる」という実感が湧きました。

現実と向き合う勇気が人生を変える

お金のことから逃げるのをやめた日が、僕の再出発のスタートでした。

誰にでも、逃げたい現実はあります。
でも、そこに立ち向かうことでしか、本当の意味で前に進むことはできません。

僕は、昨日までの「逃げる自分」に別れを告げました。
そして今、新しい人生を歩き始めています。

あの日の息子の一言は、今でも僕の原動力です。
現実から逃げない勇気こそ、人生を変える第一歩なのだと信じています。