- はじめに―スマホ時代に“PCで”作る理由
- 0. 事前準備(最短5分)
- 1. 新規プロジェクト作成とUIの把握
- 2. メディアの読み込みと整頓
- 3. タイムラインに並べる(“骨組み”を作る)
- 4. トランジション/速度調整で“間”を作る
- 5. BGMと効果音で“空気”を作る
- 6. 字幕(手打ち/自動生成/インポート)
- 7. ナレーション(AI音声/自分の声)
- 8. 画像・画面キャプチャ・矢印で“伝わる画面”
- 9. 背景除去・色補正・トランジションの“引き算”
- 10. テンプレとショートカットで“時短体質”
- 11. 書き出し(解像度・ビットレート・用途別)
- 12. “30分で1本”を作る行動レシピ(テンプレ配布代わり)
- 13. よくあるつまずきQ&A(保存版)
- 14. 副業・ブログでの“勝ちパターン”
- 15. 無料と有料、いつ切り替える?
- 16. まとめ—“PC版で良かった”と思える一本を
はじめに―スマホ時代に“PCで”作る理由
「CapCut=スマホアプリ」のイメージが強いですが、パソコン版は別物といっていいほど編集に強い。
大きな画面・キーボード操作・細かなタイムライン編集で、短時間で“見栄えする”一本が作れます。しかも無料の範囲でここまでできるのか、という驚きつき。
この記事は、初めてPC版CapCutに触れる人が迷わず一本を仕上げられるように、導入から書き出しまで操作を工程順に解説します。途中につまずきやすい落とし穴と回避策、副業やブログでの実戦ワークフローも入れました。
0. 事前準備(最短5分)
- PC版CapCutのインストール:公式サイトからWindows/Mac用をダウンロード→普通のソフトと同じ手順でOK。
- 素材の用意:スマホで撮った動画/写真をPCへ転送(AirDrop、USB、クラウド何でも可)。BGMはフリー音源を1曲。
- フォルダを1つ用意:「capcut_プロジェクト_日付」など。プロジェクトデータと書き出し先をここにまとめると迷子になりません。
この記事は操作編です。インストール詳細は「導入編」を先に押さえておくとよりスムーズです。
1. 新規プロジェクト作成とUIの把握
CapCutを起動→「新しいプロジェクト」。
画面構成はシンプルです。
- 左:メディア(読み込んだ動画/画像/オーディオ)
- 中央:プレビュー(再生/確認)
- 下:タイムライン(編集の心臓部)
迷ったら「スペース」で再生/停止、「Ctrl+Z」で一手戻す。
タイムラインはホイール上下で拡大縮小。細かいカットは拡大がコツ。
2. メディアの読み込みと整頓
- ドラッグ&ドロップで動画/画像/音声を左のメディアへ。
- フォルダを使って**「動画」「画像」「BGM」「効果音」**に分けると後が楽。
- 先に縦横比を決める:右上の設定から
- YouTube:16:9(1920×1080)
- ブログ埋め込み:16:9が扱いやすい
- ショート/リール:9:16(1080×1920)
つまずき注意:素材の縦横比がバラバラだと黒帯が出ることがあります。右側のフィット/フィルで調整、必要ならクロップで構図を整える。
3. タイムラインに並べる(“骨組み”を作る)
- 伝えたい順にメイン映像を下段の「映像トラック」へ並べる。
- 不要部分のカット:再生ヘッドを置き「分割(ハサミ)」→いらない部分をDelete。
- リップル削除(隙間を自動で詰める)設定がONだと時短。ON/OFFは設定→編集で確認。
コツ
- まず荒並べ→あとで細かく詰める。
- シーンの切れ目は動きが止まる瞬間か視線が移る瞬間に切ると自然。
4. トランジション/速度調整で“間”を作る
- トランジション:カットの境目にフェード等を1〜2種類だけ。多用は素人感が出ます。
- 速度変更:テンポを出したい短尺は1.05〜1.15倍が見やすい。逆に説明重視は0.95倍で理解度UP。
- フリーズ(静止画化):ジェスチャー説明の瞬間を止め、テキストで補足すると“分かる動画”になります。
5. BGMと効果音で“空気”を作る
- BGMを1曲タイムラインの下段へ。音量は**-18〜-12dB**目安(声より邪魔しない)
- 効果音(SE):クリック、スワイプ、ポン音…見せ場だけ入れる。過剰は逆効果。
- オーディオダッキング:ナレーションが始まる所でBGMをさらに-6〜-10dB落とすと聴きやすい。
つまずき注意:音が割れる→エクスポート前に-3dB程度のヘッドルームを残す。音量は「ミキサー」で都度確認。
6. 字幕(手打ち/自動生成/インポート)
A. 手打ち
- 「テキスト」→「テキストを追加」→タイムラインへ。
- 1文=1テロップにするとズレにくい。表示時間は2.5〜4秒が読みやすい。
B. 自動字幕
- 音声のあるクリップを選択→「自動字幕」→言語日本語。
- 生成後に誤変換を直す(固有名詞は辞書登録が便利)。
C. 台本インポート(おすすめ)
- 事前に台本をテキストで用意→「テキストをスクリプトとして貼り付け」→テロップに一括反映。
- 読むスピードに合わせて1行ごと区切ると編集が早い。
文字の見やすさ
- 白文字+濃い影、または白文字+黒縁(2〜3px)。
- 日本語は源ノ角/Noto Sansなど可読性重視。
- 重要語だけ色アクセント(黄色など)にするのはOK、やり過ぎはNG。
7. ナレーション(AI音声/自分の声)
A. AI音声(読み上げ)
- 「テキスト読み上げ」→日本語音声を選択→台本を貼り付け。
- スピード0.95〜1.05で自然に。固有名詞はひらがなにすると読みやすい。
- どうしても不自然な語尾は句読点を増やすと改善。
B. 自分の声を録音
- マイクを選択→「録音」→サンプル録りで音量チェック。
- ノイズが多い場合はノイズ除去→やり過ぎると金属音になるので**20〜30%**程度までに。
迷ったら最初はAI音声。慣れてきたら自分の声に切り替え。副業での信頼感は“実声”が一歩上。
8. 画像・画面キャプチャ・矢印で“伝わる画面”
- 画面キャプチャ(PC操作解説)は全画面1080p/60fpsで録ると文字が潰れない。
- ピクチャ・イン・ピクチャ:顔出しは小窓(右上)に。縁を白で1px付けると背景になじむ。
- 矢印・囲み:シェイプで強調→その瞬間だけ**ズーム(10〜15%)**すると理解度が跳ね上がる。
9. 背景除去・色補正・トランジションの“引き算”
- 背景除去:人物の周りに不自然な縁が出たらエッジの滑らかさを少し上げる。
- 色補正:まず自動補正→暗部が潰れたら露出/コントラストを少し戻す程度に。
- トランジションは2種類まで。フェードとワイプで十分。プロっぽさは節度で出る。
10. テンプレとショートカットで“時短体質”
- テンプレ化:オープニング、締め、クレジット、BGM音量、テロップ位置を**「お気に入り」**に登録。次回はドラッグするだけ。
- ショートカット例(デフォルトの一例):
- 再生/停止:スペース
- 分割:Ctrl+B(設定→ショートカットで確認/変更可)
- 戻る:Ctrl+Z/やり直し:Ctrl+Shift+Z
- タイムライン拡大縮小:Ctrl+ホイール
自分仕様に1時間だけ投資してショートカットを体で覚えると、編集速度は倍になります。
11. 書き出し(解像度・ビットレート・用途別)
- 形式:基本はMP4 (H.264)。汎用性が高く軽い。
- 解像度:YouTube/ブログは1920×1080、ショート/リールは1080×1920。
- フレームレート:30fps(滑らかさ重視なら60fps)。
- ビットレート:自動でOK。ブロックノイズが出たら高品質を選択。
- 音量ピーク:書き出し前に**-3dB**以内に収めると安心。
- ファイル名:英数字_日付で管理。「capcut_pc_howto_202509」など。
つまずき注意:書き出しが途中で止まる場合、素材の保存場所がクラウド/外付けで遅いことが多い。ローカルに集約して再試行。
12. “30分で1本”を作る行動レシピ(テンプレ配布代わり)
- 目的と縦横比を決める(16:9 or 9:16)
- 素材を時系列に並べて荒カット(10分)
- テロップの台本を貼り付け→AI音声を生成(7分)
- BGMを敷いて音量調整(5分)
- 要所だけズーム・矢印・フェード(5分)
- 最後に音量と簡易色補正→書き出し(3分)
完璧を目指さず公開を先に。次の1本で改善します。公開の数が上達へ直結。
13. よくあるつまずきQ&A(保存版)
Q. 字幕がズレる/読みづらい
A. 1文1テロップで区切る。行間を少し広げ、白+黒縁にすると視認性アップ。
Q. BGMが大きくて声が聞こえない
A. BGMは-18〜-12dB、ナレーション開始部分でさらに-6〜-10dB落とす。
Q. エクスポートしたら色がくすむ
A. まずはプレビュー品質を「高」にして確認。色補正は露出・コントラストを少しずつ。LUTの多用は禁物。
Q. 画面がぼける/文字が潰れる
A. 素材解像度を確認。1080p未満だと拡大に弱い。録画は1080p以上推奨。
Q. PCが重い
A. キャッシュをクリア、同時起動アプリを閉じる。素材を内蔵SSDへ。プレビュー品質を下げても書き出し品質は別。
14. 副業・ブログでの“勝ちパターン”
- ブログ×動画の二刀流:記事の要点を60秒に圧縮→記事冒頭に埋め込み。滞在時間UP=SEOにプラス。
- 資格学習のアウトプット:乙4の要点を1章=1動画で短尺化。学習仲間の検索ニーズに刺さります。
- 毎週同じ型で量産:オープニング/締めを固定化→内容だけ差し替え。「型」を作る人が勝つ。
15. 無料と有料、いつ切り替える?
最初は無料で十分。
- 無料で字幕・AI音声・BGM・基本編集が実用レベル。
- 収益化や案件で4K出力/素材拡張/クラウド保存が必要になったら有料を検討。
- 大事なのは収益が先。先に課金すると続きません。
16. まとめ—“PC版で良かった”と思える一本を
PC版CapCutは、無料なのに“ちゃんと見られる”一本を短時間で仕上げられる実力があります。
- 大きな画面とキーボードで迷わず編集
- AI字幕・AI音声で制作の敷居が激減
- ブログ/SNS/YouTubeにすぐ展開できる
最初は10点満点を狙わなくて構いません。
60点で公開→翌週70点→翌月80点。この積み上げが“副業の武器”になります。
今日、あなたのPCで、最初の一本を仕上げてみてください。無料で、ここまでできます。